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どれくらいが適正?赤ちゃんの授乳間隔や量などについて解説

医療法人みらいグループ
赤ちゃんにミルクを与えている夫婦

多くのママを悩ます授乳ですが、どれぐらいの量をあげればいいのか、どの程度の間隔であげるのが正解なのかわからないという方は多いでしょう。授乳やミルクは赤ちゃんの月齢や状況によって変わります。
正解はありませんし、赤ちゃんの状況によっても変わりますが、大まかな目安を知りたいと思っている方は必見です。
この記事では、赤ちゃんの授乳間隔や量、また離乳食の目安など、月齢に応じて解説します。
赤ちゃんによって個人差はありますので、参考程度にしてくださいね。

授乳間隔は時期によって異なる

授乳間隔は時期によって異なります。新生児期が一番頻繁に授乳しますが、月齢が経つほど少しずつ授乳間隔が変わってきます。
月齢によって、また個人差もありますが、一般的な授乳間隔をご紹介します。

新生児(生後1ヶ月)まで

女性に抱きかかえられながらミルクを飲む赤ちゃん
新生児は生後1ヶ月までの期間を言います。新生児期が最も授乳間隔が短い時期です。
その理由について解説します。

新生児は胃の容量が小さく小分けに飲む

生まれたばかりの赤ちゃんは体が小さく、体の機能の発達も未熟です。
特に新生児は胃の容量が小さいため、1回にたくさんの量を蓄えることができません。
そのため、小分けに飲む必要があり、生後2週間頃までは1日に8-12回と頻繁に与える必要があります。
生まれたばかりはさくらんぼ程度の大きさのため、少ない量から少しずつ成長していき、生後1ヶ月ごろには卵程度の大きさになるため、1回に飲める量も増えてきます。

授乳は2-3時間ごとが多い

授乳間隔は2-3時間のことが多いでしょう。
新生児の胃の容量は小さいため、2時間程度で消化されます。
母乳は消化がよく、ミルクより腹持ちが悪いため、しっかり飲んでいても2時間程度で起きてくることがあります。
母乳育児の場合、頻度の高い授乳は母乳の分泌を促す効果があると言われているため、授乳回数が多くなることは全く問題ありません。
赤ちゃんが欲しがるタイミングで欲しがるだけあげることが母乳育児では推奨されているため、1時間ごとにあげてもいいのです。
授乳間隔は母乳の出方と赤ちゃんによって個人差が大きいので、参考程度にしてくださいね。

生後2~4ヶ月頃

生後2~3ヶ月頃になると、活発に動くようになり、消化管の発達も進んできて、体重は倍程度に成長します。加えて授乳にも慣れ、1回の授乳で飲める量も増えてくるため、一度にたくさん飲んで、まとまって寝るようになります。授乳間隔は2-3時間程度と少しずつあいてくることが多いでしょう。完全母乳の場合と混合授乳の場合では、少し間隔が変わりますが、だいたい同じです。ミルクの量は、1回あたり140-160mlを目安に与えます。
生後4ヶ月ごろになると、更に赤ちゃん自身の体力や飲む力が増すことから1回あたりの授乳量が増加します。ミルクの場合は、1回あたり160-200mlを目安に与えましょう。

この頃になると、授乳回数も6‐7回と減り、新生児期から比べると少しまとまって寝てくれるようになるため、ママの負担も少しずつ減りだすでしょう。

生後5〜6ヶ月頃

生後5~6ヶ月頃になると離乳食が始まるため、この時期から授乳の回数は徐々に減っていきますが、赤ちゃんの主な栄養摂取は母乳からなので、離乳食をあげた後、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳を与えましょう。
授乳間隔は3-4時間おきで、回数にして1日5-6回程度になります。ミルクの場合は、1回あたり160-200mlを目安に与えます。

生後7〜8ヶ月頃

生後7〜8ヶ月ごろは、離乳食の後に授乳やミルクを与え、離乳食で足りない分を補うようにします。もしお腹が空いて機嫌が悪い場合は、先に少し授乳してもいいでしょう。
個人差はありますが、母乳の場合は赤ちゃんが欲しがるだけあげて、ミルクの場合は1日3回程度、1回あたり220ml程度を目安に与えます。

生後9〜11ヶ月頃

生後9ヶ月以降になると、赤ちゃんは3回食へと離乳食が進むので、授乳回数は更に減っていきます。
母乳は赤ちゃんが欲しがるだけあげていいでしょう。ミルクは個人差がありますが、1日2回程度、1回あたり220ml程度を目安に与えます。

離乳食の進め方

赤ちゃんが生後5~6ヶ月頃になると離乳食が始まります。
月齢や個々の状況によって個人差はありますが、ここでは一般的な離乳食の進め方をご紹介します。

生後5~6ヶ月頃

離乳食用のお粥
生後6ヶ月ごろは、まず1回食から始まります。
10倍がゆを裏ごしし、食べ始めることが多いため、赤ちゃんが慣れてきたら少しずつ7倍がゆ、5倍がゆとかたさを調整しましょう。この時期は離乳食に慣れる時期なので、赤ちゃんの栄養は母乳やミルクからが大半です。授乳やミルク1回分を離乳食に変えてあげ始めましょう。
万が一アレルギーが出てもすぐに医療機関を受診できるよう、離乳食をあげるのは日中がおすすめです。

生後7〜8ヶ月頃

離乳食のお粥や野菜
離乳食を1日2回に増やします。離乳食の進み方は個人差があるため、1回食の場合は、そこまで変化がないかもしれません。
2回食になってからは、食材の種類や1回に食べる量を少しずつ増やして、離乳食からも栄養摂取ができるようにしましょう。
この時期は、食べられる食材の種類が徐々に増えます。そのため、大人の食事から取り分けて食べることができます。別で用意する手間が少なくなりますね。食事はうす味を意識して、食材の味を生かしましょう。食材は果物や魚などが食べられるようになります。貧血に注意が必要な時期なので、赤身肉や魚を取り入れるといいでしょう。かたさは舌で潰すことができる程度、豆腐を目安に調整しましょう。
食べる量には個人差がありますが、1回あたりの食事摂取目安は以下のとおりです。

  • おかゆ80g程度
  • 野菜20-30g(小さじ4-6杯)
  • 肉10-15g(小さじ2-3杯)
  • ヨーグルト50-70g(大さじ3-5杯)

生後9〜11ヶ月頃

手づかみで離乳食を食べる赤ちゃん
離乳食は1日3回始めましょう。できるだけ、食事の時間を決めることで、生活リズムが整うので大体の時間を決めておくことをおすすめします。
さらに食べられる食材の種類が増えます。また、手づかみ食べが始まる時期です。
食材はバナナぐらいの硬さが目安です。食べ物への関心を持ちやすいよう、手でつかみやすいおにぎりにしたり、野菜はゆでてスティックにするなど、食べやすい工夫をしましょう。ほうれん草や海藻、赤身の魚や肉を食べ、貧血に注意し、鉄分を多く含む食材を意識してとりましょう。
赤ちゃんの機嫌によって食べる時とあまり食べない時がありますが、毎食キッチリ栄養をとることは難しいかもしれません。1週間である程度必要な栄養がとれていれば問題ないので、食事が苦痛にならないよう、楽しく食事ができるようにしましょう。

授乳間隔が短い時はどうしたらいい?

授乳間隔について、一般的な間隔はわかったけれど、授乳間隔は短くなることも長くなることもあります。
ここからは、授乳間隔が短い時の対処方法をご紹介します。

母乳が欲しいサインをみる

授乳間隔が短い時は、まず赤ちゃんの母乳が欲しいサインがあるかどうか確認しましょう。
赤ちゃんが泣いているのは、授乳以外にもおむつや抱っこ、なんとなく甘えたいなどさまざまです。
そのため、授乳が必要なのか判断するために、母乳を欲しがる様子がないか確認しましょう。
具体的なポイントは以下のとおりです。

  • 口をパクパクしている
  • おっぱいを探している様子がある
  • 口元をちょんちょんと触るとパクパクする様子がある

このようなサインがある場合は、母乳が足りていない可能性があります。そのため、母乳が足りていないなら飲ませましょう。
おっぱいは欲しがるだけ飲んでいいでしょう。

頻回授乳で疲れてしまったらミルクで補おう

ミルクを飲む赤ちゃん
授乳間隔が短くなると、ママが休めずしんどいと思う方もいるかもしれません。睡眠不足からストレスを感じたり、イライラしたりすることもあるでしょう。
その場合は、ミルクを足してあげてもいいでしょう。
母乳栄養の利点はたくさんありますが、最近はミルクも改良されているため、赤ちゃんに必要な栄養やカロリーを含んでいます。
ママの体も大切に、必要であればミルクで補いましょう。
また、ミルクを飲ませずにできるだけ母乳で育てたいと考えている方もいるでしょう。
母乳栄養で赤ちゃんの体重の増え方が悪い場合はミルクで補いましょう。

授乳間隔が長い時どうしたらいい?

反対に、授乳間隔が長い時はどうしたらいいのでしょうか。

赤ちゃんの様子が普段と変わらないか確認しよう

まずは赤ちゃんの様子が普段と変わりないかどうか、確認しましょう。

  • 活気があるか(泣いて起きてくる、欲しがる様子がある)
  • ぐったりしている様子がないか
  • 赤ちゃんのうんちやおしっこの量は普段どおりか

普段の様子と違って母乳を飲まない場合、何かしらの原因があります。そのため、医療機関の受診が必要なこともあります。
普段と同じ様子で元気はあるのに授乳間隔が長い場合は、次のことを確認しましょう。

1回に飲んでいる量が多いかも

授乳間隔が長い場合、1回の授乳で飲んでいる量が多い可能性があります。
人間なので、毎回同じ間隔できっちり起きてきたり、欲しがったりはせず、多少1日の中でも前後しますが、毎回授乳間隔が長い場合は、1回に飲んでいる量が多い可能性が高いです。
母乳の場合は飲む量を調整することは難しいですが、混合授乳の場合は、母乳の量が増えてきて、ミルクの量が多すぎる可能性があります。
1回に飲む量を調整してもいいかもしれません。

授乳間隔とミルクの疑問について解説

ここからは授乳間隔とミルクについてよくある疑問について解説します。

母乳の後にミルクをあげる目安は?

母乳をあげた後にミルクをあげる必要があるのか、初めのうちは悩むこともあるでしょう。
ミルク缶にミルク量の目安が書いてありますが、体重により個人差があるため、記載通りだと多すぎることもあります。
そのため、赤ちゃんの様子を見ながらミルクの量を調整しましょう。
母乳をメインで考えている場合は、母乳を飲んだ後にミルクをあげるようにしましょう。
しっかり両方のおっぱいから母乳を飲んだ後に足りてない分をミルクで補うようにし、3時間程度で起きてくる量を目安に調整します。
1-2時間程度で起きてくる場合は量が少ないため、ミルクの量を増やす時は20ml程度を目安に増やし、4時間ほどたっても起きてこない場合は、多すぎるため少しミルクの量を減らしましょう。
ただ、母乳の分泌は毎回同じ量ではありませんし、赤ちゃんも毎回同じ量を飲めるわけではありません。そのため、1日の中でも量が多いタイミング、少ないタイミングがあります。
多い時があっても少ない時があっても問題ないので、赤ちゃんの様子を見ながら調整してくださいね。

赤ちゃんがよく寝ている時はそのままでもいい?

寝ている赤ちゃん
赤ちゃんがよく寝てくれているから、起こさずにそのまま様子をみていようかなと考える方もいるでしょう。
頻回授乳は疲れますし、少しでも長く寝てくれるとありがたいと思うかもしれません。
しかし、生後2ヶ月程度までは、4時間以上授乳の間隔があかないようにしましょう。
1日に必要な量が足りず、赤ちゃんの体重が増えなくなってしまったり、母乳の分泌が増えにくくなったりします。
よく寝ていても4時間以内に起こして授乳するようにしましょう。

卒乳のスケジュール

離乳食が進むと、卒乳を考える方も多いでしょう。
厚生労働省では、生後1年〜1年半で卒乳の目安としていますが、卒乳の時期は決められていないので、赤ちゃんの様子をみて、またママの気持ちで決めるといいでしょう。
ここからは、卒乳の時期を計画的に進めたい方へ向けて、進め方をご紹介します。

計画的卒乳の進め方

  1. 授乳の回数を段階的に減らします。まずは食後の授乳を1回減らすところから始めるといいでしょう。
  2. しこりや胸の張りなど、トラブルがなければ、数日後にさらに1回減らします。トラブルがないことを確認しながら徐々に回数を減らします。

卒乳時の注意点

卒乳をトラブルなく進めるためには、以下のポイントに注意しましょう。

  • ママの体調がいい時、乳房トラブルがない時から始める
  • 家族の協力が得られるタイミングで始める
  • 胸の張りが強い場合は、少し軽くなる程度に搾乳する
  • 胸の張りなどトラブルがある場合は母乳外来を受診する
  • 着替えや入浴などで子どもになるべくおっぱいを見せないようにする
  • 子どもの気持ちが落ち着くように、しっかりと子どもと遊ぶ

おっぱいを我慢している子どもの気持ちに配慮しながら進めましょう。
また、胸の状態は人によりさまざまで、卒乳がうまく進まないこともあります。トラブルがあった時に対応してもらえるよう、母乳外来のある医療機関や助産院で相談しながら進めるといいでしょう。

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赤ちゃんの様子を見ながら授乳を進めよう!

赤ちゃんの成長に合わせて授乳間隔やミルクの必要な量は変わってきます。
毎回同じ量が必要なわけではないため、赤ちゃんの様子を見ながら調整が必要になります。
母乳やミルクの量は赤ちゃんにより個人差が大きいため、参考程度にしてくださいね。
自分の体調もみながら、無理のないように赤ちゃんの成長をサポートしましょう。

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この記事の監修
エナみらいグループ理事長 石渡 瑞穂
石渡 瑞穂
エナみらいグループ理事長
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