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プラセンタ治療

医療法人みらいグループ

当院ではプラセンタ治療に対応しています。プラセンタは、美容や病気の治療に対しても有効性が確認されており、注目を集めている成分のひとつです。有効と考えられる疾患や期待できる効果、副作用などを正しく理解して治療や施術を受けることをおすすめします。

プラセンタとは

プラセンタ(Placenta)は、英語で胎盤を意味する言葉です。

人だけでなく、馬、牛、豚など雌の胎内で子どもを育て出産する動物は、出産の際に必ず胎盤が形成されます。胎盤は、母体から胎児へ酸素や栄養を供給し、数mmの受精卵を体外で生きられる状態に育てあげるために欠かせない器官です。

胎盤は、胎児を出産後自然に排出されます。排出された胎盤を適切に加工したものが、プラセンタ治療に用いられています。

プラセンタに含まれる成分

胎生の生命の誕生に欠かせない胎盤には以下のような成分が含まれます。

  • 細胞成長因子(グロースファクター)
  • アミノ酸
  • ミネラル
  • ビタミン
  • たんぱく質
  • 酵素
  • 活性ペプチド
  • 核酸 など

これらの豊富な成分は、胎児の育成だけでなく様々な症状や病気の治療にも効果が期待できるといわれています。

市販のプラセンタと医療用プラセンタの違い

市販品として流通しているプラセンタは、主な原料が馬、羊、豚などの動物性、または成長因子を持つ植物から抽出した植物性のものです。一方、医療用プラセンタでは、ヒトの胎盤を原料として製造されたプラセンタが用いられます。

ヒト由来のプラセンタは比較的、強い効果が期待できるため医療用医薬品として定められており、医療機関でしか取り扱うことができません。

プラセンタとホルモン剤の違い

プラセンタは婦人科疾患の治療に用いられることから、ホルモン剤と間違えられることも少なくありません。

プラセンタはホルモン剤ではありません。
プラセンタの主な働きは成長因子による細胞の活性化です。細胞が活性化することにより新陳代謝の向上や、自律神経の安定、臓器の働きの補強などの効果が期待できます。ホルモンを分泌する器官の細胞が活性化するなかで、ホルモンバランスの調整機能が改善されることもあるでしょう。

一方ホルモン剤は、ホルモンそのものを服用または注射によって体内に取り込み、ホルモンバランスを症状に合わせて直接的にコントロールします。

このように、プラセンタとホルモン剤は体への作用の仕方や役割が異なるものなので、併用して治療や施術に用いることが可能なケースもあります。現在、ピルをはじめとしたホルモン剤を服用中の方やホルモン治療を行っている方も、プラセンタ治療の併用を希望する場合はお気軽にご相談ください。

プラセンタ治療に期待できる効果

プラセンタ治療では以下の病気や症状に対する改善効果が期待できます。

美容へ期待できる効果 肌荒れの改善、シミ・シワ・たるみなどの軽減、美白など
婦人科系症状へ期待できる効果 更年期障害の症状軽減、生理痛・生理不順の症状改善など
内臓疾患へ期待できる効果 脂肪肝の改善・予防、肝硬変・肝炎の症状緩和などなど
整形外科疾患に期待できる効果 関節痛、腰痛、肩こりの緩和などなど
アレルギー疾患に期待できる効果 アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎の症状緩和など

上記の他、【免疫力の向上、活性酸素の除去、強肝、疲労回復、自律神経の安定、滋養強壮など】の効果も期待できます。

プラセンタ治療が保険適用になる病気

プラセンタ治療は、以下の病気の治療に際して保険適用となります。

  • 更年期障害
  • 乳汁分泌不全
  • 慢性肝疾患による肝機能障害

更年期障害の場合、適用年齢が45〜59歳と定められているため、ご注意ください。
上記の病気以外の治療や施術は自由診療の扱いとなります。

医療用プラセンタの種類

2022年現在、厚生労働省より医療用として認可されているプラセンタは以下の2種類です。

メルスモン

更年期障害や乳汁分泌不全など婦人科系疾患の治療薬として開発されたプラセンタ。注射時の痛みを軽減させるため、ベンジルアルコールという添加物が配合されています。

ラエンネック

慢性肝疾患の治療薬として開発されたプラセンタ。添加物無添加で、原材料に胎盤と臍帯(へその緒)が用いられています。

美容目的の場合どちらも効果が期待できますが、当院では更年期障害・乳汁分泌不全の治療に用いることができるメルスモンのみを取り扱っています。

プラセンタ治療の方法

プラセンタの摂取方法と治療・施術スケジュールは以下のとおりです。

摂取方法

一般的に医療用プラセンタは皮下注射、または筋肉注射によって治療や施術を行います。

皮下注射

安全性と持続性で最も優れている注射方法。脂肪の多い皮膚の柔らかい部分に注射するため、比較的痛みも感じにくいです。

筋肉注射

速効性や吸収性に優れている注射方法。筋肉内に注射するため、比較的痛みを感じやすいです。

当院で取り扱っているプラセンタ(メルスモン)は、皮下注射による摂取が推奨されています。

治療・施術スケジュール

プラセンタ治療は、週1~2回、1回につき1~2アンプルの摂取スケジュールが一般的です。
ただし、更年期障害・乳汁分泌不全などの保険適用治療では1度の治療で1アンプルまでの摂取と定められています。

当院では、プラセンタの効果を実感してもらうために最初の2週間については週に2~4回(1回につき1~2アンプル)の摂取をおすすめしています。これによって効果を感じられた場合、以降は週に1~3回ずつの摂取で効果を持続させる方法がおすすめです。

プラセンタ治療における副作用やリスク

プラセンタ治療が厚生労働省により認可されたのは1956年です。これまで副作用等も比較的少ない治療方法として認知されてきましたが、治療や施術を受けるのに当たり必ず知っておくべき副作用やリスクがあります。

プラセンタの副作用

プラセンタの副作用として以下の症状が現れる可能性があります。

  • 注射部位の発赤や内出血
  • アレルギーによるショック

医療用プラセンタ治療で心配されるアレルギーには、異常タンパクアレルギーやビタミンアレルギーがあります。これまでにアレルギー症状を発症したことのある方は、事前に医師へご相談ください。

プラセンタのリスク

ヒト由来の原材料を用いた医薬品を摂取した場合、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の伝播リスクがあるとみなされ、日本赤十字社では2006年よりプラセンタ治療を受けた方の献血を中止しています。

これまでプラセンタ治療による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生が確認されたことはありませんが、未知のウイルスであることや、理論上発生する可能性が皆無であることを証明できないための対処です。

プラセンタは充分な安全性を確保し製造されていますが、輸血を受ける方への配慮として日本赤十字社ではこのような対応が行われています。

プラセンタの安全性

国内で認可を受けているメルスモンやラエンネックなどのプラセンタは、安全性に配慮し製造されている薬剤です。

原料となるヒト由来の胎盤は、日本国内の満期正常分娩を行った女性より提供されます。その際、各種ウイルス感染の有無を調べる検査や、血清学的検査、海外渡航歴の問診など複数のスクリーニングが行われています。

提供された胎盤を製造する際にも、塩酸加熱処理や高圧蒸気滅菌などの処理によりプラセンタ中の血液は全て除去され、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病や各感染症等の脅威は限りなく発生しにくいと言えるでしょう。

感染症等による可能性は0とは言えませんが、安全にプラセンタ治療が受けられるよう、製造の際は特に厳重なスクリーニングと処理が行われています。

お気軽にご相談を

プラセンタは更年期障害の治療に関しては保険適用となります。更年期障害の他、乳汁分泌不全、生理痛、PMS、肩凝り、腰痛、膝痛、肌荒れ、肌老化、美肌、美白など人それぞれ目的や効果に違いがあるかと思いますが、試してみたい場合はお気軽にご相談ください。