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オリモノの異常について

医療法人みらいグループ

子宮や膣から分泌されて流れ出るオリモノ(帯下)と呼ばれ、心身状態によって分泌量や性質は異なります。
正常なものは何も心配ありませんが、色や匂い、分泌量などに異常がある場合には何らかの病気の疑いもあるため、きちんと状態を把握しておきましょう。

女性の身体を守る大切な存在

正常なオリモノは「腟の自浄作用」と呼ばれる働きがあり、膣内に潤いをもたせ“酸性”の状態に保つことで雑菌などの侵入を防ぎ、自ら撃退する力もあります。
これはオリモノのデーデルライン桿菌が膣内にある糖質(グリコーゲン)を食べることにより乳酸をつくりだし、膣内の酸度が安定して4.6~5.0ペーハーに保たれることで菌の感染・繁殖を防ぐというものです。
他にも正常なオリモノにはスムーズな性交の手助けや、妊娠のために必要な存在ですので、女性の身体にとって非常に大切な役割を持っています。

オリモノの状態と病気の可能性

正常なオリモノの状態というのは個人差があります。
色に関しては一般的に透明に近い白色をしており、下着に付着すると薄い黄色になります。
匂いに関しては、オリモノの中にあるデーデルライン桿菌と呼ばれる細菌により少し甘酸っぱい匂いがあり、卵白のような状態が一般的に正常なオリモノです。

一方、異常がみられるオリモノには、色、匂い、分泌量、それぞれ普段と異なり身体の異変を感じることもあり、それらは何かの病気のサインとして現れている場合があります。

以下の表にオリモノの状態ごとに「疑われる病気」について簡易的にまとめましたのでご確認ください。

疑いのある病気 匂いや色など 感じる症状
カンジダ膣炎
頸管炎
量が多く、白い
チーズや豆腐のような形状
ポロポロとした状態
強い外陰部のかゆみ
灼熱感、刺激感
性交時の疼痛
細菌性膣症
量が多く、魚のような匂い
均一な灰白色
強い外陰部のかゆみ
刺激感
トリコモナス膣炎
細菌性膣炎
量が多く、泡状の黄緑色
腐ったような悪臭
外陰部のかゆみ
刺激感、灼熱感
淋菌感染症
量が多く、黄緑色に見える
腐ったような悪臭
下腹部痛
発熱
クラミジア感染症
量が多くなることがある
水っぽいものが増える
下腹部痛、発熱
無症状の場合もある
子宮頸がん
萎縮性膣炎
子宮頸管ポリープ
量はふつう
赤褐色、茶褐色、ピンク色
不正出血
性交時出血
子宮体がん
赤褐色・茶褐色
不正出血

疲労やストレス、極度のプレッシャーを感じた時などにもオリモノの性質が変化することもあります。
予め心身共に正常な時に、基礎体温表を付けて「自分の正常なオリモノの状態」を把握して「正常値」を確認しておくと良いでしょう。

オリモノの量だけ多い時は?

色や匂いの変化はなく、分泌される量だけ多い場合は「子宮腟部びらん」の可能性がありますが、びらん自体は多くの成人女性にみられるため心配する必要はありません。
ただし、あまりにも分泌される量が多かったり、出血が見られる時は早めに当院までご相談にいらしてください。

オリモノが匂いだけ気になる時は?

確認するのは少々難しいですが、普段の匂いと違って悪臭がする場合は何らかの病気の疑いがあります。
タンポンを入れたまま忘れていたり、性交時のコンドームが膣内に残っていたりすると、中で腐敗して匂いを放つことがあり、外陰部に痛みやかゆみの他、性感染症に繋がることもあります。このような場合には早めに検査したほうが良いでしょう。

オリモノの異常がおこる原因

オリモノに異常がおこるのは、様々な原因が考えられます。
例えば、夏場などは気温が高く汗で蒸れやすくなり、冬場は厚着することで蒸れやすくなるため、膣周りの衛生面が担保できずに異常をおこすことがあります。
また他にも、トイレの“ビデ”を使いすぎると逆に菌が増殖しやすくなったり、ナプキンやおりものシートを付け続けて蒸れてしまったり、過度なダイエットやストレスなどで体調が変化していると膣内環境が変化してオリモノ異常がおこる場合もあります。

少しでも違和感を感じたら早めに受診しましょう

オリモノの異常から発見できる病気もあります。もし少しでもオリモノに異常がある場合にはご自身で判断せずお気軽に当院までご相談にいらしてください。。